投資信託は「買って育てる」だけでなく、
将来どう取り崩すか(出口戦略) まで考えることがとても大切です。
しかし多くの人が、
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いつ売るの?
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どのくらい売っていい?
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老後にどう使えばいい?
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一括で売る?毎月売る?
こうした疑問を持ったまま投資を続けています。
この記事では、
初心者でも迷わない 「出口戦略の考え方と具体的な方法」 を、順番にわかりやすく解説します。
出口戦略とは?
一言で言うと
「投資で育てた資産を、どう使うかの計画」 のこと。
長期投資では、
出口を考えておくことで不安がなくなり、
“積み立て続ける理由” が明確になります。
投資信託の出口戦略は3つの方法がある
結論からいうと、出口戦略の基本は次の3つです。
① 一括売却
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住宅購入
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教育資金
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車購入
など、大きなお金が必要な時に向いています。
② 定率で取り崩す(最も安全)
毎年、保有資産の 2〜4% を取り崩す方法。
老後の生活資金として世界的に推奨されている。
③ 定額で取り崩す(使いやすい)
毎月5万円、毎月10万円…など、
“固定の金額” を売っていく方法。
それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説していきます。
① 一括売却|大きなお金が必要な時に最適
特徴
一気に売って現金化する方法。
教育費・住宅・車など、まとまったお金が必要な場面に向いています。
メリット
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必要な金額をすぐに用意できる
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資産のシンプル化ができる
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計画が立てやすい
デメリット
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売った分の複利が止まる
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売却タイミングの影響が大きい
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暴落時だと損が大きくなる可能性がある
ポイント
大きな買い物を予定している人は、
1〜2年前からリスクを下げておくと安心です。
② 定率で取り崩す|老後資金にもっとも安全
世界中の退職者が使う最も人気の方法。
毎年、資産残高の 2〜4% を取り崩していく手法。
例)資産3000万円
取り崩し率3% → 年90万円(月7.5万円)
メリット
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資産が長持ちしやすい
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暴落が起きても取り崩し量を調整できる
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インフレ(物価上昇)にも強い
デメリット
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毎年取り崩し額が変動する
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管理には少し手間がかかる
こんな人向け
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老後資金の取り崩しをしたい
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資産を何十年も持たせたい
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リスクを抑えたい
③ 定額で取り崩す|安定した生活費にしやすい
毎月、一定額を売却する方法。
年金のように一定のお金が必要な人に向いています。
例)毎月7万円を取り崩す
→ 暮らし方の計画が立てやすい
メリット
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家計管理がしやすい
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毎月の収入のように使える
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精神的に安定しやすい
デメリット
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資産の減り方が読みづらい
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暴落時でも売らないといけない
こんな人向け
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生活費の補填として使いたい
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年金+投資で暮らしたい
老後資金として取り崩す場合の目安(重要)
投資の世界には
「4%ルール」 という有名な指標があります。
これは、
「資産の4%を毎年取り崩しても、30年以上もちやすい」
という考え方。
例:資産3000万円
→ 4%:年間120万円(月10万円)
ただし、暴落に弱いので
現代では 2〜3.5%がより安全 とされています。
出口戦略を失敗しないためのポイント
✔ 手元の現金を厚めにする
取り崩し始める前に、
生活費6〜12ヶ月分の現金は確保しておくと安心。
✔ 株式100% → 取り崩し前にリスクを下げる
60歳・65歳など、取り崩し開始の5年前くらいから
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株式 → 売却
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債券 → 増やす
など、リスク調整をしておくと暴落リスクが減ります。
✔ 暴落時に売りすぎない
暴落中の売却は
資産の寿命を縮める最大の原因。
現金を厚めにしておけば
急いで売る必要がなくなります。
✔ NISA枠の出口は焦らなくてOK
NISAは非課税なので、
「利益が大きいから売ったら損」
などはありません。
必要な時に売ってOK。
出口戦略は「積立とセット」で考えると安心
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何歳で取り崩すか
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毎月の生活費はいくら必要か
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資産を何年持たせたいか
こうした疑問が分かるだけで、
毎月の積立が“目的のある投資”に変わります。
出口が見えると、
積立への不安も減り、続けやすくなります。
まとめ:出口戦略とは“資産を長く持たせるための計画”
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出口戦略は“一括・定率・定額”の3つ
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老後は「定率(2〜3.5%)」がもっとも安全
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大きな買い物は一括売却でOK
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取り崩し前にリスクを下げるのが重要
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現金比率を厚めにすると暴落に強い
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出口戦略を知ると、長期投資の不安が減る
投資は“ゴールの迎え方”もとても大切です。
あなたに合った出口戦略で、安心して資産を使っていきましょう。
