投資信託を続けていると必ず知っておきたいのが
「損益通算(そんえきつうさん)」 という仕組み。
名前だけ聞くと難しそうですが、
実は、 “投資で損したときに、税金を安くできる超重要な制度” です。
初心者でも、これだけ覚えておけば十分。
わかりやすく、まず結論からお伝えします。
結論:損益通算とは「損と利益を合算して税金を減らす仕組み」
投資には利益が出る年もあれば、損をする年もあります。
損益通算を使うと…
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利益が出た年 → 税金を負担
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損した年 → 税金が減る・戻る
という調整ができます。
つまり、損をした時に
税金を払いすぎないようにするための仕組み です。
具体例で理解する損益通算
例として、次のようなケースを考えてみます。
ケース①:Aの投資で+10万円、Bで−6万円だった場合
Aファンド:+10万円
Bファンド:−6万円
この時、
利益4万円(10万 − 6万)にだけ税金がかかる 仕組みが損益通算です。
通常税金:20.315%
4万円 × 20.315% = 8,126円
損益通算がないと
+10万円に対して税金がかかることになりますが、
通算すれば税金が軽くなります。
ケース②:利益より損のほうが大きい場合
Aファンド:+5万円
Bファンド:−10万円
このとき、損益通算すると…
利益5万円 − 損10万円 = −5万円
利益より損が大きいので
→ 税金はゼロ
→ さらに「翌年以降の税金を減らせる(※繰越控除)」可能
※後ほど説明
損益通算が使える金融商品(超重要)
株式と投資信託の税制は同じなので、
次の資産はすべて損益通算できます。
✔ 損益通算できる
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上場株式
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投資信託
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ETF
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REIT
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株式の配当
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株の売却益
✘ 損益通算できない
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債券の利息
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FX
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暗号資産(ビットコインなど)
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外貨預金
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保険商品
“株式・投信の仲間同士” だけで損益通算できる、と覚えればOK!
損益通算を使うと何が得なの?
① 利益の税金を減らせる
利益10万・損6万なら
利益4万円への税金だけで済む。
② 税金が戻ってくることもある(還付)
年の途中で利益が出て源泉徴収されていた場合、
損益通算によって税金が戻る(還付)ケースがあります。
③ 損失を3年間繰り越せる(繰越控除)
めちゃくちゃ重要です。
損益通算で処理しきれなかった損失は
3年間、利益と相殺できる 仕組みがあります。
例
1年目:−10万円
2年目:+3万円
3年目:+4万円
4年目:+2万円
全部相殺できます。
※ただし「確定申告」が必要です。
特定口座(源泉徴収あり)なら自動で処理される
初心者が使うべき 特定口座(源泉徴収あり) は、
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税金の計算
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損益通算の処理
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源泉徴収
すべて証券会社が自動でやってくれます。
つまり、
確定申告しなくても損益通算が自動で適用される
ということです。
これは初心者にとって最強の安心ポイント。
一般口座だと損益通算はすべて自分で手続き
(初心者には超ハード)
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損益の計算
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明細の提出
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確定申告
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繰越控除の申請
など、すべて自分で行う必要があります。
初心者は絶対に避けるべき。
損益通算のよくある勘違い
損したら自動で税金が戻る?
→ それは誤り
利益と損を“合計して初めて”税金が変わる仕組みです。
NISAでも損益通算できる?
→ できません
NISAは非課税なので、損も利益も通算の対象外。
必ず確定申告が必要?
→ 特定口座(源泉徴収あり)なら不要
証券会社が自動でやってくれます。
まとめ:損益通算は“損した時の保険”になる大切な制度
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損益通算とは、利益と損を合算する税制
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税金を安くできる重要な仕組み
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利益>損 → 税金が少なくなる
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損>利益 → 税金ゼロ+損失繰越が可能
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特定口座(源泉徴収あり)なら自動処理
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NISAは通算対象外
“損した年でも無駄にならない” という大きなメリットがあります。
安心して長期投資を続けるためにも、
損益通算は必ず理解しておきたいポイントです。
