投資信託の中でも人気が高いのが
「テーマ型ファンド」 と呼ばれるジャンル。
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AI
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DX
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フィンテック
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ロボティクス
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クリーンエネルギー
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宇宙開発
など、「これから伸びそう」と感じるテーマに投資できるため、
魅力的に見えます。
しかしテーマ型は、
初心者が最も失敗しやすいファンドでもあります。
この記事では、テーマ型ファンドを選ぶ前に
絶対に知っておくべき注意点をやさしくまとめています。
そもそもテーマ型ファンドとは?
テーマ型ファンドは、
特定の分野・業種・ストーリーに沿った企業だけを集めた投信 のこと。
例
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AI企業に絞る
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クリーンエネルギー企業だけ
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宇宙関連事業に特化
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医療やヘルスケアに特化
魅力的に見えますが、
テーマに偏りがあるため 値動きが極端に大きくなりやすい のが特徴です。
【最重要】テーマ型は“上がる時も大きいが、下がる時はもっと大きい”
テーマ型は、値動きの激しさが桁違いです。
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話題になると急上昇
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熱が冷めると急落
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長期では市場平均に勝てないことが多い
中には、
上場から5年で半値以下になったファンドも珍しくありません。
“夢がある=リスクも大きい”
という点は必ず理解しておきましょう。
テーマ型ファンドを選ぶときの注意点
① 長期投資には向かない
テーマのブームは長く続きません。
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1〜3年の間だけ盛り上がる
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時期が過ぎると鈍化
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結果的に“高値で買って低値で売る”人が多い
積立NISAや長期運用には相性が悪いです。
② 投資対象が偏っている(分散されていない)
テーマ型は
「特定の企業や業種だけ」で構成されています。
例えばAIファンドなら
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NVIDIA
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AMD
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Google
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Microsoft
などに集中し、
値動きが同じ方向に大きく動きます。
→ 分散が効かずリスクが増大します。
③ 信託報酬が高いファンドが多い
テーマ型は、索引を作るのに手間がかかるため
手数料(信託報酬)が高め です。
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オルカン:0.056〜0.114%
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S&P500:0.09〜0.1%
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テーマ型:0.5〜1%超 も多い
長期運用では手数料が結果に直結するため不利です。
④ テーマの未来は予測が難しい
「これから伸びる!」と話題になっていても…
期待どおりにいかなかったテーマは多数あります。
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ロボティクス
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VR
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バイオ関連
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再生可能エネルギーの一部
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ブロックチェーン関連
伸びると思われていたテーマでも
“実際には企業が儲からない”こともあります。
⑤ 純資産が少ないファンドは突然の繰上償還のリスク
純資産が少ないと運用が続かず、
突然ファンドが終了する「繰上償還」が起こることがあります。
目安
✔ 純資産10億円以下 → 危険
✔ 30億円以上 → 比較的安心
テーマ型は純資産が小さいものが多いため要注意です。
⑥ テーマ型はブームで“高値掴み”しやすい
SNSで話題になった瞬間が
すでに高値のことが多いです。
例
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AIブーム
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半導体ブーム
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宇宙ブーム
話題になり始めた時には
すでに価格が上がってしまい、
「買ってすぐ暴落」ということがよくあります。
では、テーマ型は買わないほうがいい?
結論:
テーマ型は“少額で楽しむ投資”としてならアリ。
おすすめの使い方はこれ。
総資産の5〜10%以内で買う
メイン資産にはせず、
“遊び枠”として少額に抑えるのが基本。
長期積立には向かないので「短期〜中期」で保有
積立NISAには不向き。
通常NISA・特定口座で扱いましょう。
ブームに乗るなら“値動きへの覚悟”が必要
上がる時も下がる時も激しいため、
含み損に耐えられる人向けです。
テーマ型を選ぶ場合のチェックポイント(保存版)
買う前に以下の5点を確認するだけで失敗が減ります。
✔ 信託報酬が1%以下か
1%を超えているものは長期不向き。
✔ 純資産残高が30億円以上あるか
小さすぎると繰上償還のリスク。
✔ 組入れ上位の企業が偏りすぎていないか
特定企業だけに集中しているファンドは危険。
✔ 過去5年の値動きを確認
ジェットコースターのように上下していないか?
✔ SNSで話題のタイミングで買っていないか
話題=高値のことが多いです。
まとめ:テーマ型ファンドは“メインではなくサブ”で使うのが正解
テーマ型は魅力的な分
リスクも非常に大きい投資です。
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長期投資には向かない
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信託報酬が高い
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値動きが大きい
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ブームに左右される
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純資産が溶けることもある
しかし、少額で扱うなら
“楽しみながら可能性に乗れる”投資でもあります。
初心者・中級者は
「メインはオルカン or S&P500、テーマ型は少額」
このスタンスがもっとも安全です。
